老人ホームの安全を守るためには、消防設備について職員が正しい知識を持つことが大切です。
今回は、現場の職員さんが押さえておくべき消防設備の基礎知識をシンプルにまとめました。
🚨 ①自動火災報知設備(火災報知器)
自動火災報知設備は、火災の初期段階で煙や熱を感知し、警報を鳴らして施設全体に知らせる設備です。
種類と選定の基準:
- 煙感知器: 煙を感知して作動するため、居室や廊下など早期発見が求められる場所に設置されます。
- 熱感知器: 温度の急上昇や一定温度以上で作動し、浴室や厨房など湯気や煙が多い場所での誤作動を防ぎます。
職員がするべきこと:
- 感知器だけでなく、非常ベル(発信機)やスプリンクラーの補助散水栓の周辺にも絶対に物を置かないこと。
- 感知器の役割を正しく理解し、異常を発見したらすぐに設備業者へ連絡する。
🧯 ②消火器
初期消火で重要なのが消火器です。施設内の要所に設置されています。
消火器の基本:
- 「ピンを抜く → ホースを火元に向ける → レバーを握る」の順で使用。
- 有効期限を定期的にチェック。
職員がするべきこと:
- 消火器の設置場所を全員が把握。
- 定期的に消火器の使用方法を訓練で体験する。
🚒 ③スプリンクラー設備
スプリンクラーは自動的に消火を行う設備で、火災発生時に天井から水を散布します。
注意すべき点:
- 一度作動すると大量の水が放出されるため、緊急停止方法を把握。
- スプリンクラー付近や補助散水栓周辺に物を置かない。
職員がするべきこと:
- 誤作動時の停止方法を確認する(操作盤で停止)。
- 配管漏れなど異常があればすぐ業者に報告する。
🚪 ④誘導灯・非常口表示灯
火災時に入居者や職員を安全な避難場所へ誘導する設備です。
重要なポイント:
- 常に点灯していることを確認する(消灯していたらすぐに交換)。
- 非常口周辺には物を置かず、常に避難経路を確保。
🚰 ⑤屋内消火栓設備
建物内に設置されている大型の消火設備で、火災時に職員が操作します。
操作の基本:
- バルブを開けるか発信機を押すと自動的にポンプが作動。
- ホースを引き出しノズルを持ち、バルブを開く。
職員がするべきこと:
- 操作方法を消防訓練時に定期的に練習。
- 消火栓の前に物を置かない。
📌 職員が日常でできる安全管理ポイント
- 消防設備の設置場所と役割を全員が把握していること。
- 日々の清掃や巡回で、設備に異常がないかをチェック。
- 設備周辺(感知器、発信機、消火栓、スプリンクラー等)には絶対に物を置かない。
✅ まとめ
老人ホームでは、小さな火災が大きな事故につながります。消防設備を正しく理解し、日常的に確認を行うことで、火災時に慌てず、迅速に対応できるようになります。
職員一丸となって、防火管理に取り組みましょう。