

火災感知器の感知する方式を大別すると
1.熱感知器
2.煙感知器
3.炎感知器
3種類に大別されます。上記の写真は、熱感知器の中の差動式スポット型感知器と言います。主として天井面に取り付けられ、火災により生ずる熱が天井面から蓄熱されること利用し、自動的に火災を感知します。機種として主な特徴は周囲の温度の上昇率が一定以上になったときに作動します。

突然の非常ベルやサイレン音により驚きながらも非火災報が繰り返されると、火災報知機を信じなくなってしまいます。イソップ物語でもあるオオカミ少年状態になると火災と非火災報の区別が出来ず本火災の際に被害を拡大してしまう可能性があります。非火災報の原因を追究して本火災のみ警戒する状態に改修しなければなりません。
感知器の中で一番多く設置されている差動式スポット型感知器は、熱感知器に分類され室内の急激な温度上昇により感知します。図は、一般的な差動式スポット型感知器の断面図です。下側から熱が伝わりゆっくりとした温度上昇には感知しないのですが、冬場にストーブやエアコンにより急激に温度上昇させたりすると作動することがあります。
温度上昇による原因
1. ストーブによる急激な温度上昇
2. エアコン等暖房器具の温風
3. 感知器の下で調理している。
寒い部屋を急激に温めたいというのは当たり前の事ですが、誤報を発生させないコツとしては、温まるまでエアコンのルーバーを下に向ける。感知器の真下でストーブを使わない等一定の配慮は必要となります。しかし、あまりに頻繁な場合は、感知器の種類を替えることをおすすめしています。
経年劣化及び環境による原因
1. 10年以上経過した感知器の誤報
2. 結露の発生による環境の変化
3. 錆びの発生によるもの
経年劣化によるものでは、見た目には故障の原因が無い場合でも内部の接点が閉じていて復旧しない物があります。年式が新しい物ではメーカーへ解析をお願いしてリコールの可能性も検討致します。10年以上経過した感知器では経年劣化によるものと判断することもございます。
写真は極端な事例ですが、結露によるカビが発生し感知器の端子部分だけでなく配線も錆が発生していました。湿気の溜まりやすい建物では感知器の種類を替える対策が必要です。
駐車場内に設置されていた感知器では、海風の塩害により錆が発生した事例です。外気による影響を受ける箇所も感知器の種別を替える必要があります。しかし、竣工時からの物となると故障するまで交換しないことも多くあります。
弊社のお客様は定期点検させて頂いておりますので劣化した感知器は随時交換させて頂いております。誤報以外でも困りごとがございましたらお気軽にご相談をお願い申し上げます。