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消防設備点検の流れ
中規模の施設様の消防設備点検は概ね半日~1日で完了します。
当ページでは割烹様を例に消防設備点検当日の流れを詳しくご紹介させて頂きます。
① 現場入り
事前にお約束させて頂いた日時通りにお伺いさせて頂きます。到着後まずは施設ご担当者様にご挨拶をし、施設内に点検機材を搬入。搬入機材は施設内を傷めぬよう、シートを敷いてその上に置かせて頂いております。
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② 火災受信機の操作
まずは火災受信機本体の電源をオフにして、絶縁測定を行います。この試験でケーブルの劣化具合、漏電の有無を判定します。その後、本体を再起動し、後に行う感知器試験でベルが鳴らないよう停止操作を行います。
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③ 火災感知器の試験
専用の試験棒を感知器に接触させて火災を検知するかどうかを確認。感知器には主に熱感知器と煙感知器とがあり、熱感知器には試験棒から熱を加え、煙感知器には試験棒から煙を加える事で模擬的に火災発生状況を再現。感知器本体の赤いLEDランプが点灯すれば正常動作が確認できた事になります。消防設備点検で最もイメージされ易いシーンかもしれませんね。
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④ 消火器の外観点検
実際に噴射しますと使えなくなってしまいますので、外観から状態を判断します。まずは使用期限の確認。次に安全栓は外れていないか、タンクの傷・凹み・錆、ホースの劣化状況、タンク内の圧力が正常値の範囲内を指しているかなど目視で確認。併せて置かれている場所が「本当にこの場所が適切であるか」も確認しております。
問題が無ければ「点検済証」のステッカーを貼り替えします。このステッカーは消防設備点検を象徴するようなアイテムかもしれません。
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⑤ 非常ベルの鳴動試験
実際に非常ベルが鳴るかどうかを確認する試験です。火災受信機の停止を解除し、赤丸中央のボタンを強めに押す事で館内に非常ベルが鳴り響きます。
施設の皆様を驚かせてはイケマセンので、試験前に「これからベルを鳴らします」と一言お伝えしてから試験をしております。大きな施設様の場合は「これより非常ベルの試験を行います」と館内放送で全館に通知させて頂いてからの試験となります。
尚、非常ベルはボタン上の窓内にあるスイッチを下に押し込む事で復旧できます。
ベルには通話機能も付属しておりますので、実際に受話器を差し込んで動作確認もしております。
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⑥ 消火栓の外観点検
ホース・ノズル・バルブといった部品に傷・錆・歪み・損傷・漏水等が無いかどうかを目視で確認いたします。
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⑦ 消火栓の放水試験
ホースを消火栓バルブに繋ぎ、実際に放水出来るかどうかを確認します。消防設備点検で最もダイナミックな場面です。ノズルの先に圧力計を装着し、基準通りの圧で放水出来ていれば合格です。施設内に消火栓が複数設置されている場合でも基本的には1基のみの放水試験で良い事になっております。
尚、放水はバルブから離れた場所で行いますので、バルブ操作担当と放水確認担当とが分かれてトランシーバーを使い「放水開始・停止」の連絡をしています。このトランシーバー使用の様子は特に幼稚園での点検の際に園児さん達から「かっこいいー!」と好評で、少々誇らしい気持ちになる瞬間でもあります。
尚、ホースは施設のモノを使いますと乾燥に時間が掛かるため、弊社の点兼用ホースにて試験させて頂いております。余談ですが、使用後のホースの片付けは上手に水を抜きながら手早くコンパクトに纏める必要があるため、ちょっとした職人技であったりも致します。
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⑧ 避難誘導灯の外観点検
避難誘導灯は停電時でも点灯するよう非常用バッテリーが内蔵されています。非常バッテリーでも点灯するかどうか、モード切り替えを行い確認しております。また、表示面だけでなく、カバーを外して内部の配線状況やライトの状況も確認します。
尚、蛍光灯は全メーカーで2027年に生産が終了する事が決まっております。蛍光灯タイプの避難誘導灯をお使いの施設様は、どうぞお早めにLEDタイプへの更新をご検討ください。
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⑨ 消防設備点検の完了
機材を搬出し、周辺をお掃除して完了となります。
当日の点検内容を記した報告書にサインを頂き、控えはお客様にお渡しさせて頂いております。尚、この報告書は消防署に届出するモノとは別のモノとなっております。
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⑩ 消防署への届出
消防署に届出する書類は「消防用設備等点検結果報告書」という名称で、コチラは当社が後日に作成の上で消防署に届出致します。提出後は消防署から押印された状態で弊社に返送されてきますので、弊社よりお客様にお届けさせて頂きます。非常に大切な書類となっておりますので、大事に保管なさってください。
以上が割烹様を例にした消防設備点検当日の流れでした。