感知器の種類について
感知器は以下の3種類に大別されます。
・熱感知器
・煙感知器
・炎感知器
下記の写真は、熱感知器の中の差動式スポット型感知器となります。
感知器の中で最も多く設置されている差動式スポット型感知器は、室内の急激な温度上昇により感知します。
主に天井面に取り付けられ、火災により生じる熱が天井面で蓄熱されることを利用し、自動的に火災を感知します。
この感知器の断面図が以下の写真になります。
感知器内の熱で空気が膨張し、スイッチが押されて反応します。
温度上昇が緩やかな場合、空気の体積が大きくなる前にリーク孔から空気が逃げるので、反応することはありません。
感知器 断面図
温度上昇による非火災報
非火災報により非常ベルやサイレン音が繰り返されると、いざという時に火災報知機を信じなくなってしまいます。
イソップ物語にあるオオカミ少年状態になると火災と非火災報の区別が出来ず、本火災が発生した時に被害を拡大してしまう可能性があります。
非火災報の原因を追究して本火災のみを警戒する状態に改修しなければなりません。
冬場は以下のような場合に感知することがあります。
・ストーブによる急激な室内の温度上昇
・エアコン等の暖房器具の温風
・ 感知器の下での調理作業
寒い部屋を急激に温めたいというのは当たり前の事ですが、誤報を発生させないコツは、
・温まるまでエアコンの羽を下に向ける。
・感知器の真下でストーブを使わない
などの一定の配慮が必要となります。
しかし頻繁に発生する場合は、感知器の種類を替えることをおすすめ致します。
劣化や環境による非火災報
非火災報の原因は他にも以下のものが上げられます。
・10年以上経過した感知器の誤報
・結露の発生による環境の変化
・海風などによる錆びの発生
経年劣化の場合、上記の写真のように見た目から故障の原因が無い場合でも内部の接点が閉じて、復旧しない物があります。
年式が新しい場合、メーカーへ解析をお願いしてリコールの可能性も検討致します。
10年以上経過した感知器では経年劣化によるものと判断することもございます。
結露の発生の場合、上記の写真は極端な事例ですが、結露によるカビが発生し、感知器の端子部分だけでなく配線も錆が発生していました。
湿気の溜まりやすい建物では感知器の種類を替える対策が必要です。
海風の塩害により錆が発生した場合、上記の写真は駐車場内に設置された感知器で、外気による影響を受ける箇所も感知器の種類を替える必要があります。
しかし竣工時からの物となると故障するまで交換しないケースも多くあります。
弊社のお客様は定期点検させて頂いておりますので、劣化した感知器は随時交換させていただいております。
誤報以外にもお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。