「消火栓ポンプが起動している」と東区の医療施設のお客様からご連絡を頂き、緊急でお伺いしました。
『ポンプが起動した』旨のご連絡を頂いたときに考えられる原因として
- 発信機が押されている
- 圧力タンクの圧力低下
- 2号消火栓であればバブルの開放
「2号消火栓のいたずらによるバルブの開放だけは起こって欲しくない」と願いながら現場へ向かいました。
不特定多数の方が頻繁に出入りする施設では無いので可能性は低いと思っているですが、部屋中が水浸しの状態は誰でも避けたいところです。
現場に到着するとポンプ室は施錠されていましたが、屋外からでもモーターの回転音が響いておりポンプが動いていることが確認できました。
今回は2人で調査にお伺いしたので、消火栓箱の確認・ポンプの確認を分担して行いました。
こちらは3階建ての建物で消火栓箱は各階2台の合計6台設置されています。
それらを1台ずつ発信機ボタンの確認とバルブの開閉確認を実施しました。
1号消火栓だったので、バルブの開放によるポンプの起動ではありませんでした。懸念していた部屋中が水浸しの被害は無いと安心しました。
また、発信機についても押されていた形跡はありませんでした。
念のため、各総合盤内の配線や接続部を確認したのですが、異常はありませんでした。
その後、ポンプ室で合流したところ、ポンプの停止と圧力タンクの調査を開始してました。圧力タンクのバルブ・制御盤の異常が無い事も確認しました。
消火栓ポンプが起動する原因で発信機・バルブは関係ないことが分かりました。
そうなれば圧力タンクの漏れが発生したということで原因を追究しなければなりません。
フート弁の役割
フート弁は水源の水位が消火ポンプより低い場合に吸水管の先端に設置されております。
フート弁の役割としては
- 逆止弁によるポンプ側の水が水源に戻らないようにする逆流防止
- 異物が消火用水に混ざらないようにする為のろ過の役割
逆止弁が正常でないとタンクの圧力が低下する恐れがあります。
今回はフート弁の動きを確認すると動きが悪いことが分かりました。
そして、水槽内を覗き込むと、多くの錆が発生していることが分かりました。
フート弁に不具合が発生するとポンプの機能が正常でも水を吸わなくなり、適正な水圧が維持できなくなり、消火能力が著しく低下することがあります。
フート弁の動作不良は、10年を経過してから発生率が高くなってきます。
原因は錆によるものが殆どで、使用頻度の低さから水槽内の水が汚染することで錆が発生します。
フート弁の点検
今回のような場合にフート弁を点検するには
- 吸水管を引き上げる・または試験用ワイヤー(鎖など)を引っ張る
- 吸水の障害となる異物の付着や詰まりがないことを確認
- フート弁の逆止効果が正常であることを確認
以上の手順で確認する必要があります。
フート弁は地下の水槽内にあるため、目視でも確認することが出来ない場合もあります。
ワイヤーを引き上げた際の感触に違和感やワイヤーの動きが悪い場合は不具合が考えられます。
最後に
他にも屋内消火栓設備の全体の話になると
- ホースは耐用年数である10年の経過
- 呼水槽の腐食
- フート弁の腐食
概ね3点の不具合が発生します。
また、ポンプや配管等も年数の経過や設備の設置環境により不具合が発生することがございます。
どれも適正にメンテナンスをしていた場合でも劣化は避けられません。
交換工事費については、メーカーや設備の大きさにより異なりますので、随時、御見積書を作成させていただきます。
設備に関するお困りごとがございましたら、弊社へのご連絡をお待ちしております。