
火災受信機とは、自動火災報知設備の人間で言うところの「心臓部」にあたります。
そのため、火災の発生場所を特定したり、スイッチ操作によりベルを止めたり、鳴らしたりすることを可能にする機械です。
万が一火災が発生した場合、火災受信機で場所を特定し、初期消火に向かいます。
防火管理者様に限らず、あらかじめ『受信機が何処にあるのか?』『どのように建物内が区分されているのか?』というのは防災のうえで覚えておきたいポイントです。
新潟市西区の事務所内にある「火災受信機の交換工事」を実施しました。
故障の原因は、経年劣化(40年以上)により、受信機内部の基板の故障でした。
基板が故障していると、万が一火災が発生した場合でも受信機に火災の場所が表示されなかったり、非常ベルが鳴らないという重大な欠陥となります。
火災受信機は自動火災報知設備の心臓部であるため、全てのケーブルが集結しています。
そのため、全てのケーブルの行き先を調べ、古い受信機を取り外しても、ケーブルが行方不明にならないように記しておきます。
この作業を怠ると後々大変なことになってしまうので、慎重に作業を行います。
(慣れた作業ですが、1本、1本行き先を確認し、メモを取っていきます。)
今回の工事は、発信機・表示灯・地区ベルの交換もあるので、こちらもケーブルが行方不明にならないように慎重に交換作業を行います。
発信機・表示灯・地区ベルが収納されている機器収容箱ごと交換すれば良かったのですが、鉄筋コンクリートに埋込ボックスが入っていたので既設の収容箱を活かして中身だけを交換しました。
息の合った二人での分担作業だったので順調に進捗し、交換作業は終了です。
今回はP型2級の受信機だったので、少し設定をしてから動作試験となります。
ちなみに、P型1級の受信機になると設定箇所が増えるのでもう少し時間が掛かります。
『各感知器を作動させて、警戒区域番号の間違いがないか?』『ベルが鳴動するか?』『発信機を押したら蓄積機能が解除され、火災断定になり、すぐ非常ベルが鳴動するか?』などなど、細かいところまで試験調整をして完了です。
自動火災報知設備の火災受信機の交換工事は、工事完了後から速やかに試験結果を消防署へ届け出なければならない義務があります。
試験も無事終了し、帰社後、届出書類を作成し、提出して参りました。
今回はお客様の御協力もあり、故障の発見から交換工事まで、とてもスムーズに出来ました。
もしも、故障した状態で火災があった場合、感知器も動作せず、非常ベルも鳴らない状況では初期消火どころか避難することすら困難になってしまいます。
修理を御検討されている方は、ぜひ、当社へお早めにご連絡をお願い致します。
