屋外から放水することで、建物の火災を弱める役割がある屋外消火栓設備。
隣接する建物への延焼を防ぐことが目的で設置されています。
火災発生時にいつでも使えるように消防設備点検を徹底して行うことが重要です。
この記事では、屋外消火栓設備について解説していきます。
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屋外消火栓とは?
屋外消火栓設備は名前の通り、屋外に設置されており、建物の1階・2階の火災を消火することを目的としたものになります。
屋内での初期消火では、屋内消火栓・スプリンクラーが使われますが、延焼することも少なからずあります。
そこで、外部から放水することにより隣接する建物への延焼を防止する役割としても設置されています。
屋外消火栓設備のホースの接続口から水平距離が40mの範囲内の建築物の各部分に有効に放水することが出来ます。
屋外消火栓設備の使用方法
屋外消火栓の使用は2人1組で行ってください。迅速に消火活動を行うことが出来ます。
- 1:起動ボタンを押す
消火栓ボックスの外側または内側の起動ボタンを押し、ポンプを起動させます。
- 2:扉を開ける
消火栓ボックスの扉を開け、ホース架けを手前に引き出します。
- 3:ノズルとホースを伸ばす
1人がノズルを持って消火できる距離までホースを伸ばします。
その際にホースがねじれないように注意しましょう。
- 4:バルブを開ける
ホースが伸びたことを確認したら、もう1人がバルブを反時計回りに全開まで回してください。
- 5:放水する
バルブを開けると水が出始めます。
水圧で体勢を崩さないように、肩幅よりやや足を広げて、両手でしっかりとノズルを持ちます。
- 6:消火する
火元を狙って、放水し続けてください。
注意点として、火元から安全な距離を保って、消火活動を行いましょう。
- 7:使用後
バルブを閉めきり、ホースを巻き取り、ノズルと一緒に消火栓ボックスに戻します。
点検・放水試験 準備
屋外消火栓の放水試験をする際は最初に外観による目視点検を実施します。
- ポンプ本体とモーター本体に水漏れ・亀裂などが無いかを確認。
- 呼水槽内・消火水槽内の充水を確認。
- 屋外消火栓内の各バルブ類を確認。
水道用のポンプとは異なり、実際の火災・点検の時にしか使用しません。
そのため、しっかりと点検を行い、放水の準備をしていきます。
絶縁測定
次に屋外消火栓の制御盤内の絶縁測定を実施致します。
電源回路・電動機回路を測定し、絶縁測定が良好な事を確認します。
500Vのメガーで測定し、0.2MΩ以上であることを確認します。
絶縁測定は総合点検時のみで良い事になっておりますが、ポンプを始動する際は毎回測定するのが望ましいです。
放水試験
消火栓ポンプの準備が出来たので、放水試験を実施します。
放水試験を実施する前は、仕切り弁を閉止してからポンプを起動します。
ウォーターハンマーが発生しないように、配管内を水で充水させてかた放水することで、安全に放水試験を実施することが出来ます。
※ポンプを起動してから、仕切り弁を徐々に開けて、ポンプの圧力計を締切運転した値まで上がったら充水は完了します。
今回は、屋外消火栓格納箱内にある遠隔起動スイッチでポンプを起動させ、起動後に仕切り弁を開けて放水試験を実施しました。
屋外消火栓はすべての屋外消火栓(設置個数が2個を超える時は、2個の屋外消火栓とする。)を同時に使用した場合に各ノズルの先端において、放水圧力が0.25MPa~0.6MPaかつ放水量が350L/min以上の性能が必要になります。
こちらの工場は屋外消火栓の格納箱の設置個数が4個のため、2箇所で同時に放水し、圧力の測定を実施しました。
今回は0.45MPaを測定したので、放水圧力は異状ありません。
試験後 消火水槽の水量 確認
放水完了後は消火水槽の水が減水しているため、消火水槽の水量を確認します。
ボールタップが停止位置まで上がり、給水がしっかり止まる事を確認します。
給水が止まるまではその場を離れないようにします。
給水装置の不良により水が落ち続ける場合があり、現場離脱後に警報がなっては点検の意味がなくなってしまいます。
警報試験
消火栓設備には異常が発生した場合に警報を発します。
ポンプ起動・呼水槽減水・過負荷を検出すると火災受信機・消火栓の制御盤に警報を発して、音響が鳴動します。
これで、屋外消火栓設備の全項目の点検は終了で、異常はありませんでした。
屋外消火栓の消防点検はエフ・ピーアイまで!
火災が発生した際に、隣接する建物に延焼しないように、屋外消火栓設備は必要不可欠です。
また、いつでも使用できるように定期的な消防設備点検の実施が必要になってきます。
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