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消防設備のトラブル対応に「消防士」の力を借りるという選択肢

私たち株式会社エフ・ピーアイでは、365日・24時間体制で消防設備のトラブルに対応できるよう、夜間や休日も含めて社員が交代制で待機し、万が一のトラブルに備えています。

 

これはお客様の安心・安全を第一に考えての取り組みではありますが、正直なところ、この体制が永続的に維持できるとは思っていません。

というのも、働き方改革が叫ばれる昨今、社員のプライベートや健康との両立をどう実現するかが、大きな課題の一つです。

 

そこで私が提案したいのが、「消防士と連携するトラブル対応体制」です。


一部地域ではすでに始まっている、消防士による対応

ある地域では、消防設備の誤作動に対して、消防士が出動し対応を行っている事例があります。

 

たとえば、高齢者施設に設置された自動火災報知設備が誤作動を起こした際、出動した消防士が現地で感知器の状況を確認し、必要な処置を行ったという報告もあります。

消防士の中には、消防設備士の資格を持っている方も多く、感知器の状態を見極めるスキルも兼ね備えています。

 

また、警備会社と契約している施設では、警備員が誤作動の原因となった感知器を一時的に取り外す対応を行う場合もあります。こうした「一次対応の担い手」が増えていることも注目に値します。


消防士との役割分担で迅速な対応を実現

私の理想は、以下のような役割分担です。

  • 夜間・休日(非営業日):消防士が緊急出動し、現地対応
  • 営業時間内(日中):当社スタッフが現地対応

このように連携すれば、より迅速かつ的確な対応が可能になります。

特に、火災の有無の判断においては、やはり消防士が最も専門的で信頼できる存在です。


当社単独では限界があるスピード

私たちも可能な限り早く現場に駆けつけるよう努めていますが、夜間・休日に社内で待機しているわけではないため、どうしても現地到着までに1〜2時間かかる場合があります。

もちろん、電話口での応急処置のアドバイスは行いますが、限界があります。

 

一方、消防士の対応スピードは圧倒的です。出動から現着までおおむね10分以内で、これに勝る対応力はありません。


より良い「安全体制」のために

消防設備の緊急対応をより迅速に、より確実に行うためには、消防設備士と消防士が密に連携し、それぞれの強みを活かすことが重要です。

  • 消防士:迅速な出動、火災有無の判断、安全確保
  • 設備業者(当社):原因究明、部品交換、恒久対策の実施

このように連携体制を構築することで、地域全体の安全性が飛躍的に向上するはずです。

 

今後、行政や消防本部、関係業者との対話を深めながら、持続可能で実効性のある対応体制の構築に向けて取り組んでいきたいと考えています。


まとめ

「すべてを我々がやる」から「地域全体で守る」へ。

 

消防設備士としての責任を持ちつつ、消防士との連携を視野に入れたトラブル対応体制の構築は、これからの時代に必要な一歩です。

 

地域の安全と、私たち設備業者の健全な働き方を両立するために、ぜひこの課題に目を向けていただければと思います。