老人ホームでは、入居者が誤って非常ベルを押してしまうケースがよくあります。
「またか」と慌てることがないよう、誤押しの原因とその防止策をわかりやすく解説します。
🔔 非常ベルが誤って押される主な原因
老人ホームで多い非常ベル誤操作の主な原因は以下の通りです。
- ナースコールと間違えて押してしまう
- 非常ベルの設置位置が低く、手が届きやすい
- 認知症などでボタンの意味を理解できず押してしまう
- 通路や共用部で、無意識に触れてしまう位置に設置されている
特に認知症の入居者がいる施設では、こうした誤押しが頻繁に発生します。
🚧 誤押しを防ぐための具体的な対策
① 非常ベルの位置を見直す
- 入居者が触れにくい位置に再配置する(消防署と相談が必要です)。
② 誤押し防止カバーを設置する
- 専用の透明カバーを取り付けて、意識的な操作を必要にすることで誤操作を防げます。
③ 表示を分かりやすくする
- 「これは火災用です」と大きくはっきり表示し、ナースコールなどと区別を明確にしましょう。
④ 入居者・家族への説明を徹底する
- 入居時に非常ベルの意味と使い方を明確に説明することで誤押しを減らせます。
個人的な意見になりますが、②のカバーを設置することが一番、現実的な方法だと思います。
🛠 それでも誤押しが起きた場合の対応方法
非常ベルが押された際は以下の手順で対応します。
①まず火災の有無を確認
- 必ず現場を確認し、本当の火災ではないことを確認します。
②非常ベルを停止
- 操作盤で「ベル停止」ボタンを押します。
③誤押し原因を記録する
- 誰が・どのような状況で押したのかを記録し、再発防止の参考にします。
④入居者へのケアを行う
- 誤って押した方が混乱しないよう、落ち着いて丁寧な対応をしましょう。
📌 誤操作を防ぐ職員教育のポイント
✅① 現場での「誤押し体験」を含めた実践的研修
実際に職員が現場で非常ベルに触れ、「誤って押されやすい位置や原因」を体感してもらうことで、具体的な改善アイデアが生まれます。
✅②「なぜ誤押しが起きるのか?」原因を職員間で共有
過去の誤押し事例を記録し、職員間で共有する時間を設けることで、各職員が日常業務で注意すべきポイントを明確にできます。
✅③ 非常ベルが押された時の『対応の流れ』を壁面掲示
職員がすぐ見える位置(事務所や休憩室)に、ベル停止方法や確認事項を掲示すると、焦りや混乱を防げます。
✅④ 入居者対応のロールプレイング研修
誤って非常ベルを押してしまった入居者に対してどのように対応するか、定期的にロールプレイングを行い、適切で落ち着いた対応力を養います。
✅ まとめとポイント
- 非常ベルの誤押しはよくあるトラブルですが、対策次第で防げます。
- 位置変更やカバー設置などの工夫で、大幅に誤操作を減らせます。
- 誤押しが起きても慌てず、冷静な対応を心がけましょう。